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【4379】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時38分)



許してください。。。  

Piro (2013年03月31日 09時44分)



       〔あとがき〕




今回は俺の処女作「アニキ編」を少し編集してみました。
 最後までお付き合い頂いて有難う御座います。

どーだったでしょう??
 「これで終わりかよ!」と、思って頂けたら嬉しいですね。。

実は、滝さんのファッションについては最初に少し触れましたが、 身体的特徴は一切書きませんでした。

 その方が面白いかと思って。。  うん。面白いのは私だけかも知れないけど。。。
だって
 本物を知っているのは私だけなんですから。そのくらいはね。。


 そんな滝沢さん(仮名)が 先日、58歳で他界しました。 

実は一年前に共通の友人からの電話で「癌で、もう長くないらしい」と聞いていましたが。

  私はお見舞いに行きませんでした。どんな顔をすれば良いか分からなかったからです。

   ただ。 滝沢さんの最後の顔は見ておきたくて通夜に夜遅くに行きました。

 そしてそんな私を出迎えてくれた 滝沢さんの奥さんが

    「時々、あなたの話をしていたわ」と言ってくれました。 

  私は「そうですか。 すいませんでした。」と頭を下げましたが、

      自分が何に対して謝っているのかは よく分かりませんでした。


今回、【滝沢さん外伝】をアップした時に、

 (自分の親が目の前で他人から怒鳴られる姿を子供に見せるべきではない)とも言えるな。。と思いましたし。

  私が人の親に成った今、そんな考え方に至ったのも
   滝さんの存在が在ってのモノだとも思えました。

   もしかすると 私は滝さんに謝罪ではなくて、お礼を言いたいのかも知れません。。

 今回は話の流れ上、滝さんとの付き合いを8ヶ月程度に設定しましたが
  実際の付き合いは3年以上あったからです。。 

   それでも1回もアニキとは呼べませんでした。
      様々な事が起こり過ぎたのです。


でもね。。今こうして当時を思い出してみても
     私も滝さんの事は殆ど知らないんですよ。  他に知っている事と言えば。。


滝さんは自動車免許を持っていなかった事と。

あのヘアースタイルがパーマではなく、天然のクセッ毛だった事。。

   
     ……そのくらいですねぇ。。





   「あとがき」   終わり



 


【4378】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時36分)



最終話   〔無常〕



あの日以来、
 
滝さんから連絡が来る事はなく、

 俺も 滝さんと出会ったあの町に足を運ぶ事はありませんでした。。




    

       −  6年後  −

         相模大野駅



クリスマスのイルミネーションで飾られた夜の町を 私は彼女とデートしていた。

 買い物をして、食事をして、ゲーセンでUFOキャッチャーとダーツをして。。

    普通の生活の日々を過ごしていました。


ケータイの時刻が明日を告げる前に
  「そろそろ帰ろうか…」と彼女に告げ、パーキングに向かったのですが

  そんな私達を引き止めるかの様に

   寒空の下で踏みつけられたタバコの吸殻を拾い、
 その吸殻をビニール袋に入れながら歩くホームレスが現れました。

  (いい歳して…可哀相にな…)と、そのホームレスを哀れんだ目で見つめていると、

 振り返ったそのホームレスの立ち姿に
   私の時間だけが一瞬にして奪われたのです。

そして、
   止まった時の中で私は声にならない叫び声を上げていました。


  
     「………どーしたの?」

  そんな彼女の言葉で、時間に引き戻された私は

   無言のまま彼女の手を強く握り返し、何かから逃げる様に
    
      急いでその場から立ち去りました。


   目を背ける為に
           うつむきながら。。。


    
       足早に…
              足早に……。








     【記憶の片隅に】 〜アニキ編〜

         − END −



【4377】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時36分)



第17話   〔小田急線〕




滝さんの「出て行け」という言葉が 俺には「二度と顔見せるな」と聞こえました。
 男同士の信頼関係の崩壊が込められていた言葉だからです。


しかし、俺は引き下がらずに滝さんに食いつきました。
 すでに許して貰おうなどとは思ってはいません。
  それは【卑怯者で終わりたくない】という小さなプライドでした。

 「滝さん! 聞いて下さい!俺は外に・・・」


すると。滝さんはさっきとは一変した落ち着いた声で

 真っ直ぐに俺を見て
 
   「俺は出てけっつったんだ。」と言いました。


 その顔は怒っている様にも、泣いている様にも見えました。


   …………


もうナニも始まらない事を悟り、言葉を失った俺は無言で自分のカバンを持ち

  最後に「有難うございました」とだけ滝さんの背中に伝えて あの部屋を後にしました。。



そしてそのまま何事も無かった様に駅に向かい、
  無表情で電車に乗り込んで席に座った俺は

  (元々、あそこは俺の居るべき場所じゃない。 これで救われたんだ。)と

    今夜の自分を納得させていました。

そして
   結局、一度も滝さんを「アニキ」と呼べなかった事に気付くと
       
       生まれて初めて電車の中で泣きました。


 (滝さん…… 俺、逃げたんじゃないよ…信じてくれよ……

     俺…もう少し、アニキと一緒に居たかったよ……)


     電車に揺られながら、声を殺して泣きました。



【4376】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時35分)



第16話   〔出て行け!〕



外にイチゲンの仲間らしき人影が無い事を確認した俺は すぐに階段を駆け上り部屋に向かった。

 入り口のドアを開けると丁度、イチゲンの男が部屋から出てきて
   俺に「邪魔したな」とだけ言って去って行きました。。

 俺が部屋を出てから2〜3分しか経っていない事から
 (ああ…大事にはならずに済んだんだ…良かった…)と思いながら部屋に入ったのですが、

中に居た5人は黙ったまま。。 そのシラケムードが漂う部屋の奥には
 自分の興奮を抑えて落ち着きを取り戻そうとしている滝さんの姿がありました。。

その初めて見る滝さんの狼狽した姿に
 事の重大さを再認識した俺は すぐに言い訳を始めました。
 「すいませんでした!俺は必死に止めたんですが、あの男が強引に入って来て…」

すると、滝さんは予想外の言葉で俺を怒鳴ったのです。
 
  「ナンで客人を置いて逃げた!!」
 

   ( …逃げた? 俺が?) 一瞬、何を言われているのか分からなかったが、

俺が臆病風に吹かれ、自分だけ助かろうと一人で外に逃げ出し、イチゲンが帰ったのを確認してから部屋に戻って来た。 と、

 滝さんがそう勘違いしている事に気付いた俺は まずその誤解を解こうと
  「いえ、違いますよ。俺が外に出たのは…」と言いかけた時、

滝さんは俺に
     「出て行け!」と怒鳴ったのです。


    「帰れ!」ではなく、「出て行け!」です。

その滝さんの顔は怒っている様にも
  泣いている様にも見えた事を今でもハッキリ覚えています。



 「帰れ!」ではなく、「出て行け!」

   その言葉の意味の違いは あの時の俺でも理解していました。



【4375】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時34分)



第15話   〔行動〕



俺の力量では、その男を止める事は出来なかった。。
  後はこの[一見の男]が[ササキさん]である事を祈るだけでしたが

残念ながら
     俺の嫌な予感が的中してしまうのです。。


 
[イチゲンの男]の迫力に負け、部屋に入れてしまった俺は

このイチゲンが滝さん達の知り合いで、
 部屋の中の客人達と「おお、久しぶりだな!」などの親しい会話が聞こえて来る事を、、、

  ただ黙って祈るだけでした。

しかし、部屋に居た常連の客人達は

     突然部屋の中に入って来たイチゲンを見ると笑顔が消え、

 「ナンだ。テメーは! ドコの者だぁ!」と言い

そしてイチゲンは「ココ(雀荘)開いてるのは誰なんだ?」と言ったのです。。


 そう。
このイチゲンの男は[ササキさん]でも[客人の知り合い]でも無く。。
   殴ってでも部屋に入れてはイケナイ男だったのです。


客人達とイチゲンの睨み合いが始まる中、
 俺は自分がどう行動したらいいのかが全く分からず、ただオロオロしていると

 ソコに滝さんが帰って来てくれたのです!
  (助かった!)

俺が「すいません滝さん!この男が勝手に…」と言いかけただけで
  滝さんはすぐに場の状況を把握した様で、
イチゲンの男に向かってゆっくりとこう言いました。

  「アナタがドチラ様なのか知りませんし、別に知りたくも無いので速やかにお引き取り下さい」と。。

 流石は滝さん! 堂々としたものです。
しかし、
その滝さんに対してもイチゲンは全く動じる様子が無く
「誰がココ開いてンのか?って聞いてんだよ。 テメーか!?」と返して、
  静かだったこの部屋で 怒鳴り声が飛び交いました。

  (こんな男を俺なんかが止められるハズが無かった…)そう思うと同時に
    6対1なのに、このイチゲンのあまりにも落ち着いた態度に

  (外に仲間が居るんじゃないか?)という不安が頭を過ぎった俺は

(この場に俺が居てもナンの役にも立た無いから 外にイチゲンの仲間が居ないか確かめてこよう)と
    すぐに部屋を出て階段やビルの外を調べ、
    怪しい人影が無い事を確認してからすぐに部屋へ戻りました。

それが
   あの時の俺に出来る 唯一の行動だと思っていたのです。。



【4374】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時33分)



第14話   〔イチゲンの男〕




雀荘でバイトを始めて3ヶ月。。
  滝さんと知り合ってからは約8ヶ月の月日が流れ

この頃になると俺も客人と冗談を交わせる様になってきて
 滝さんは俺に店を任せて外出する事も増えていました。
  [信用]が生まれてきた証拠だったのでしょう。


もうじき滝さんの誕生日です。
俺は(ナニを送ろうか…
   小さな誕生日ケーキに『誕生日おめでとう! アニキ!』って書いたらど〜だろう…
   滝さん怒るかなぁ? …それとも意外とテレるかも…)

     などと、密かに考えていたある日の夜。。

滝さんが
   「ちょっと出掛けるけど一時間くらいで戻るから。
     俺が戻る前に[ササキ]という人が来たら中で待っててもらってくれ」
      と言って外出して行きました。。

「分かりました」と答えた俺の仕事は、雑用とテラ銭の集金。
 客人は顔馴染み常連の4人だけ。。

  ナンの問題も無く今日が終わるハズでした。。。


 23時半頃。。。

玄関の開く気配に(滝さんが戻ってきたのか?)と出てみると
 ソコには30代後半ぐらいの見覚えの無い男が。。

小柄ながらも
  パンチ力のある風格の[一見の男]が立っていました。

俺は(あっ、この人が[ササキさん]だな?)と思い、
一応確認の為に
  「失礼ですが、ドチラ様でしょうか?」と聞きました。

すると、その[一見の男]は返事もせずに
 お前なんか眼中に無い。という態度で勝手にズカズカと入ってきたのです。

  (オイオイ、、お前ダレなんだよ!勝手に入るな! ボケ!)

「ちょ、ちょっと困りますよぉぉぉぉ 勝手に入らないで下さいぃぃぃぃ」

 
   (一生のお願いだから止まってくれぃぃ!)



予想に反して無言でイキナリ入ってきたこの男が
 滝さんの知り合いの[ササキさん]なら問題は無いのですが、

  もし、ドコの誰とも分からない赤の他人だとしたら……

この素性の分からない[一見の男]を
  絶対に 客人の居る部屋に入れてはいけないのです。

嫌な予感が体を走った俺は
 (奮えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!)と、臆病な自分を奮い立たせ

 「勝手に入られては困るんですよ!」と強く言いながら、[一見の男]の腕を掴みました。

  (触るのはマズイ…) それは解っていた。

   …しかしもう… それしか俺には思い付かなかった。。

すると
   今度は予想通りの答えが返ってきましたよ。

  「テメー! なに触ってんだ!コラッ!!」ってね。。

そして俺の手を振り払いのけると、
  客人の居る部屋に入って行ってしまったのです。



【4373】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時32分)



第13話    〔その先〕



そして手品が好きだった俺は、自動ジャン卓に疑惑を持っていました。。。

 ジャン卓と牌に磁石が仕掛けられていて
  ある程度の[積み込み]が出来るのではないのか…と。

その意図的に積み込まれた牌を
  たまたま俺が何回も引いていただけだろ…と。

   この時は本気でそう考えていました。


でも。。。

もし、自動ジャン卓でイカサマをしていたとしても、俺はそれを
    たまたま連続で何回も引き続けていた事になります。。

そう考えると
      ソレも一つの才能だったんじゃないかな…とも

         思うんです。



…あの時、
    もし、俺がそれに気付いていたら…

  根拠の無い自信で走れる人間だったら……

  今とは100%違う人生を歩んでいたでしょう。


    それは一体どんな生活だろう…


いつも数百万を持ち歩き、ゴツイ高級車を乗り回していたのか。。。

      それとも その逆か。。。


少なくとも
   今の妻には出会っていなかったんだろうし…  勿論、息子にも。。。


   …それでも俺は 今とは違う幸せを見つけていたのかなぁ。。。と。



     そんな無意味な事を  今でも時々
     

          考えたりしています。。。




 
       「アニキ編     終わり」







    ウソ。ウソ。


      後、もう少しだけお付き合い下さい。。



【4372】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時30分)



第12話   〔ビギナーズラック〕



  (……しまったぁ!!! 調子コイたぁっ!!)


 国士が流れた後に客人へ送った俺の愛想笑いが
部屋に充満するブラックホール級の重力に吸い込まれていく事で我に返ったのだが。 時すでに遅し。。

スジを読めない俺は相手にワザと振り込む事も出来ず…
  客人Aが戻って来る事だけをただヒタスラに祈りながら どうする事も出来ずにいた。。


 するとそこへ「調子はどーだ?」と滝さんが現れたと同時に 客人Aも戻って来てくれたのです。。
 
 俺は(助かった! これでこの理不尽な重力から離脱出来るぞ!!)と、風の様に素早く席を立ったのだが。
 
 
  それまでのゲームの経緯を聞いた滝さんと客人Aは 俺のビギナーズラックを大変に面白がり、


 「もう少し打ってみろ」と俺に言ったのです。

     この時が 滝さんを殴りたいと思った2度目でした。



 俺はその申し出を無下に断るワケにもいかず。。
  仕方なく打ち続けた結果も圧勝につぐ圧勝を重ね、、

 「コレは単なる偶然ではなく。コイツには雀力があるのかもしれない」と

   他の客を含めた彼等5人で30分ほど真剣に話し合っていた事を覚えています。

黙っていたメンツの客人も
 (素人に負かされて怒って黙っていた)のでは無く、
 
    俺の[雀力]に恐怖すら感じて引いていた。との事でした。。。


 そして皆は 当然俺に麻雀を覚える様に勧めてきましたが
   俺は丁重にそれを断りました。

ナゼなら
   [知らないから勝てた]という事を、俺は理解していたからです。

 それは俺のレベルがあまりにも低過ぎた為に起きた現象なので
   彼等の様な高等者には逆に理解し切れなかったのでしょう。。


 …しかし。  今、振り返ってみると

  [ソレこそが俺の雀力]だったのではないか。。。とも思うのです。





  [ゲーム]の勝敗は2種類の要因に別れます。

    [経験で勝つ]と、[運で勝つ]です。

 どの道でも常にトップに立つ人間は
  その両方を兼ね備えていると俺は思っています。

将棋やスポーツ等は基本的に経験者が勝ち、素人が負けるでしょう。

 〔ヨミやコツ〕が勝敗に大きく係わるゲームだからです。

なので〔運〕の作用が大きい[麻雀]は意外な事に
  必ずしも[上手い人が勝つゲームではない]のです。

 正当に戦った場合。 極論で言うと自分に有利な牌しか引かない[引きがイイ人]が勝つゲームと言だからです。

故に
  カード同様。手品の様な[イカサマ]が進化を続けたのではないかと思います。。。

今回、俺が大勝を収めた理由を自分で解析すると・・・


1、 『たまたま運が良かった』
  配牌の時点で手がほぼ出来ていた。一回も振込みしなかった。 

2、 『セオリーを知らない』
  スジを考えない俺は
  「ナンでそれを捨てて、それで待つんだよ!」というヒネクレタ高等技術を自然と行っていた。

3、 『詳しいルールを知らない』
  有り無し等のルールを把握していないので、自分が知っている「役」を貪欲に追いかけた。

4、 『代打ちだったから』
   開き直って打ち込みを恐れずに手を進めた。
    


 以上の事から

  ビギナーズラックとは単に〔初心者のマグレ勝ち〕を指すのではなくて
   〔初心者が持つ能力〕と言えるのかも知れませんし。 違うのかも知れません。



【4371】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時29分)



第11話    〔引き〕
 

「あっ!ちょっと待って下さい。。。なんだかイイ手なんですよコレ!」

 非合法地帯の無秩序と化した俺に怖いモノなど無かった。
  ハッキリと口に出して場の流れを止めたりしてました。。 

そんな俺に客人の一人は
 「勘弁しろよ! お前マジで素人かよ!」という不快感を力強く押し付けてきましたが
他の二人が
「まぁ、時間潰しだから。。ゆっくりやろうや。」と、優しく笑ってくれたので助かりました。

後で、その優しさがアダになろうとは
    この時、誰一人思ってもいなかったのでしょう。  ウへへ。。


実は、もうどーでもいいや!と開き直った俺は

    ハッタリのつもりで「イイ手なんですよ」と、咄嗟に言っていたのですが

     よくよく自分の手牌を見てみると

(アレ? 後1つでテンパイなんじゃん…?
     イーシャンテンって奴ですか? 違いますか? 知りませんが。
     
     しかもピンフ、タンヤオ、ドラ1かな?、、マジでそれなりの手じゃん。
     しかも2面待ちで、まだ3順目。。  これは和了っちゃうでしょ。俺。。)

なんて思っていたら。ホントにテンパイして、リーチかけて、一発でツモっちゃいました。


  (フザけんな俺!! マジでツモッっちゃったよ! どーすんのコレ???
 
    迷惑かけといて
     いきなり和了っちゃうのって空気読めて無さ過ぎでしょう。

       …これはスルーしとくべきだろうな。。。


        ……イヤイヤ、待てよ…  俺がそんな事したら
 
       それはソレで客人に対して失礼な事なんじゃないか…
 
   どーせ俺なんて余興程度の存在なんだから、これはコレでウケるんじゃん? 
 それに、
     後で俺が誰かに振り込んでしまった時の保険にもなるしな……)

      (この間、約0,3秒)


0,3秒間、散々悩んだ俺は大きな声で「ツモッ!」と言い放ちました。


そしてソレは

  客人の震撼と天才の覚醒が始まる産声だったのです。


  そう、ソレは
    後の裏ギャンブル社会に君臨する男の誕生だった!

というのはウソですが。

   初っ端のゲームを親のハネ満だか役満だかで 一発ツモ和了り、

 波に乗ってしまった俺は その後も麻雀神の寵愛を受けた悪魔の如きヒキを見せた。

大三元をツモッたり
 冗談でカンしていたら三カンツドラ8なんぞを和了ったりして

 その勢いは国士のテンパイ流れまで続き、

 ものの数十分で、120万以上のオゼゼを3人の客人から引っ張っていたのです。。


  この場は[客人の代打ち]なので
 いくら勝とうが負けようがその金額は俺に関係ありません。

  客人Aが戻るまでの間、波風を立てないように振舞う。 それが

   本来の俺の立場である事は百も承知していたのですが

   まだ幼い、純粋過ぎる俺のギャンブル魂には

次々と目前に押し寄せる勝利を[ワザと流す器量]など、持ち合わせてはいなかったのでした。

それと同時に(この猛者達を相手にしてブッチギリで勝っている!)という
   今後起こりえないであろう快感に酔いしれていたのです。。
    つまり[調子コイちゃった]ワケです。

だから。
  「スゲーな。お前!」「ワリィ。見くびってたよ」と、笑っていた客人達が

   いつしか無口になっていた事に気付くまでには、一時間以上の時間が必要でした。。



【4370】

RE:【隔離病棟新館】  評価

TaKeRu (2020年08月23日 14時28分)



第10話   〔困惑〕



彼等の麻雀の怖い所は、盲牌によるそのスピードです。
 イヤ、金額もさる事ながら、
  それの以前にあのスピードが有るワケですよ。

それは長年の経験と実績?の中でしか身に付かない
 鍛錬と集中力の成せる技でしょう。。。

俺は「それだけの集中力があれば、念力でスプーン曲げくらい出来そうですね」と、
    喉まで出掛かった言葉を何度も心の中に閉まったものです。

あの時、その言葉を口に出さなかった俺の判断は20年経った今でも
      正解だった。と思っています。。


そんな超能力染みた麻雀に加われと言われたのです。

 (出来るワケねぇーだろ!!  アホか!お前! アホだ!)

そう思った俺は
 「イヤイヤ、、自分はドンジャラしかやった事が無いんですよ」と
   ジョーク混じりのナイスな断り方をしたのですが

   「早く座れ!」と、怒られました。

  
  スプーン曲げ出来るんじゃないですか?と聞かなかった俺は
      やはり正解だったと。今も思っています。

そして
  電話で呼び出されたその客人Aは「俺の金、減らすなよぉ〜〜」と
   鬼の様な笑顔で部屋を出て行ってしまったのです。。

困った俺は奥の部屋で寝ていた滝さんに事情を説明すると
 「顔馴染みの方々だから大丈夫だよ。、勉強させて貰え。」と、笑われました。

   この時が、初めて滝さんを殴りたいと思った瞬間でした。

もう腹をくくるしか無いと悟った俺は、メンツの客人に
  「勉強させて頂きます。よろしくお願いします」と、少し震えた声で言いながらも

   次の思考を働かせていました。


(どーする?! 俺?!
  あんなスピード、手の内を考える暇なんて無いぞ。。。
   とにかく大事なのは皆さんに迷惑をかけない事だ…
   …そうか! 勝つ必要なんて無いんだ!!
    捨て牌だけを見て、振り込まない事!! 
  これだけに集中すればなんとかついていけるかもしれん!! ……よし!! コレだ!!)

    (この間、約0,3秒)


 「早くサイコロ振れよ」

  「あっ、自分が親ですか?!すいません。。」(エ〜ト…取りあえず字牌から切って…)

    タッタッタッ ピタッ   「えっ?自分のツモ? すいません…」

   …捨て牌をすると同時にツモ番が来やがるし…
      相手の捨て牌どころか自分の手牌を見てる暇すら無ぇし…


    タッタッタッ ピタッ「お前だよ。早くツモれ!」

       「ぁぁ、すいません。。。」

 すると



        バッシューーーーーン!!!



    俺の中のナニかがハジける音が聞こえました。



    (ついていけるか!!! こんな麻雀!!!!
      俺はドンジャラしか知らないっつっただろ!!
 
       もうイイ!!  あーーもうイイや!!

      逆にゆっくり打ってやるぜっ! ガッハッハッハーーーだ!

         我に平伏せ! 下民共め!!!)


     思いっきり開き直ってやりました。


  
  これが結果的に 良かったのか悪かったのかは………
  
     20年経った今でも 分かりません。



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