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【4189】

いつか見た恋蛍 第一話  評価

咲(サキ)SAKI (2020年05月07日 00時44分)

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 ▼prologue...



 青く蒼く透き通ったその水に
 
 天からの光が容赦なく突き刺さる

 突き刺さった光は石に反射して 

 せせら笑いながら稚魚たちに会釈する

 稚魚は水面を踊りながら 空に舞う 空に舞う




 童は裸足で跳びまわり 稚魚と一緒に跳びまわり

 陽が落ちるまで駆け回る

 運ぶ間に 小さな掌すり抜けた

 動きし跳ねるものは 掌の色に

 いつしか遠くに祖母の声 祖母の声


 熱き紅きは夕焼けの空










 本家の裏道 小高く盛り上がった坂道を上って
 すぐさま降りていくと そこには小さな澄んだ小川があった


 暑くて汗びっしょりで 下校した夕暮れ 


 日課のように 毎日 裸足でその小さな丘を駆け上がり
 不揃いの砂利にまみれた坂を 駆け下りていく



 足はところどころ尖った小石で切れては 赤く滲む水
 その赤は 紅い夕暮れへと溶け込んだ――――――









 ――――――気づけば私は、ここで遊ぶようになっていた



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【4188】

いつか見た恋蛍〜自然界の掟〜  評価

咲(サキ)SAKI (2020年05月07日 00時43分)

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 【 弱肉強食ノ話 / 第一話 〜蟷螂の編〜】



 驚くほどの田舎道。
 バスは1時間半に1本。
 電車の駅は近隣にはない。

 子供用の自転車では上り切れない坂も沢山あり、
 それを当たり前のことだと認識していた5つの初夏のことだった。


 今から思えば、田舎の独り立ちは都会に比べ、数歳早い様な気がする。
 何となくではあるが、4〜6歳になる頃には
 自分のことは自分で誰に教わったでもなくこなす様になっていた。


 スーパーへの買い物、電車・バスの乗り降り、
 緊急の場合の公衆電話のかけ方、
 困ったトキの連絡と対処……etc…etc


 それは、『生きていくための知恵』
 とでも言えば良いのだろうか。

 スーパーでさえ、車で1時間以上走らせないといけなかった。
 勿論、コンビニなど無い。

 なので、お腹が空いたら
 『お金を握りしめて買いに行く』
 …という現代の様な発想は当然なかった。

 
 お腹が空いたら、自分の家の畑で、
 『トマトやキュウリをもぎって小川で洗って食べる』
 
 …が正しい図式であった。


  これから話すのは、そんな時代の幼き日の想い出、


 自然界の弱肉強食の儚さと踏襲を
 現実の動物世界に教わる形で
 まざまざと、生々しくも
 脳裏に鮮やかに焼きつけられた
 ある夏の日の遠き良き想い出である。



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【4187】

いつか見た恋蛍〜自然界の掟〜  評価

咲(サキ)SAKI (2020年05月07日 00時51分)

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  【 弱肉強食ノ話 / 第一話 〜蟷螂の編〜】



 毎日歩く土手があった。
 小川の上には土手があり、見渡す限りの田園と畑を一望できた。


 その土手には椚の木々や桜の木、柿の木など
 年中何かしらの実が成り、その実を目当てに沢山の生物が
 奪い合うでもなく、また譲り合うでもない形で群がり、実を食し、
 それぞれの欲求を満たしていた。


 動物というのは、『食』に対する欲求は共通であるような気がする。


 その食し方、得る方法はそれぞれ違えど、
 生きるために食す。

 例えばそれが微生物であったり植物であったり、
 動物であったりと。


 ・


 土手を歩くと、幼子の胸まで届きそうな草木が茂る。
 いいや、若しくは目の高さを超える草木もあった。
 昇りやすそうな凹凸の激しい、低めの木々も鈴なりに茂る。

 昇り放題のその光景は、
 今でいうロッククライミング顔負けの
 自然に出来あがったアスレチックともいえようか。


 ――――それは、
 泥団子を作ったり、秘密基地を作るには適した環境だった。


 
 ・


 因みに泥団子を隠す場所は、
 『秘密過ぎない場所』が適度であった。


 分からな過ぎれば、自分が探せない。
 しかし、あからさまであると敵陣に見つかってしまうからだ。


 この『敵陣』というのは、
 秘密基地を組む陣営のことであった。

 
 遊ぶ友人たちと、『陣』を組む。

 
 学校が同じ友人達とは家が離れているので、
 遊ぶ友人は、近隣の友人となっていた。


 性別問わず、年齢問わず、
 朝から陽が落ちるまで毎日遊んだ。


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【4186】

いつか見た恋蛍〜自然界の掟〜  評価

咲(サキ)SAKI (2020年05月07日 00時55分)

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  【 弱肉強食ノ話 / 第一話 〜蟷螂の編〜】




 泥団子は丁寧に作れば作るほど、金色に光る。
 何度も何度も泥で固め、サラサラの砂をかけ、両手で磨き上げ、
 金色にするのである。


 泥で団子を作って、なぜ金色に?と首を傾げる方もおられよう。
 しかしながら、子供の遊びで『金団子作り』は初歩的な遊びである。
 それは凡そが『秘密基地』とセットで考えられる。



 『安全な基地の場所はどこに設置するのが良いか』
 『基地から宝物を出し入れできる金団子の隠し場所をどこに置こうか』



 子供ながらの拙い考えではあったが、
 大人になったトキの世界の考え方や、野生動物のそれとも、
 何ら変わらないように思えた。








 ・


 草を刈ったり、整えたり、町の係の方が来る姿を見たことはない。
 草木は町民たちが手分けして季節ごとに手入れする。

 人口の少ない町であるゆえ少ない人手ではあったが、
 コメ農家や果物農家、昔ながらの有機野菜農家が田畑を守っていることもあってか、
 土手の上の草もスパンは遠かったが定期的に刈られていた。


 荒れ放題という訳でもなかったが、それなりに大小があって、長短があった。
 短い草が続いたかと思えば、茫々と生い茂った箇所もあった。


 基地に適した場所は茫々に生い茂ったサキの
 太い木に囲まれた柔らかい土の大地だった。
 その場所に泥を掻き分け、砂と石を積み、土台を作る。



 また、金団子を隠す場所は、決して基地にはしないのが掟であった。
 
 基地が探し当てられたトキに失う財産を、
 最小限にするためだった。





 
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【4185】

いつか見た恋蛍〜自然界の掟〜  評価

咲(サキ)SAKI (2020年05月07日 00時37分)

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  【 弱肉強食ノ話 / 第一話 〜蟷螂の編〜】





 その日私は基地の宝である『金団子』を隠す場所を探していた。

 幼い自分の膝下くらいに生い茂った、
 人差し指くらいの太さの草が片間って生えているポイントが無数にあった。



 私たちはこのポイントを
 『D・P(団子ポイント)』と呼んでいた。




 迂闊に決めてはならない。
 敵陣の鼻の効く上級生チームには強者が要るからだ。
 何となく、隠している場所を引き当てる。


 いわば『引きのイイ人』。



 その『引きのイイ人』に『D・P』を嗅ぎ付けられないよう、
 入念に場所候補を探し、また歩き、探す。
 メンバーに幾つかの候補を伝え、


 『よし、ここだ。』


 と、みんなのGO!サインで場所を決める。
 場所は最大5か所までだ。


 基地でみんなで拵えたその金団子を、
 団子部隊が『D・P』へと運び出す。

 下級生でまだ小さいカラダだった私は、
 それを運び出す役目だった。
 


 運び出す曜日は、互いに決めていた。
 何らかのヒントを敵チームにも知らせるためだった。


 いよいよ運び出す曜日だった。
 それはまるで、小さなひな鳥を自分の嘴で掴み、
 巣替えをするトキの様だった。



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【4184】

いつか見た恋蛍〜自然界の掟〜  評価

咲(サキ)SAKI (2020年05月07日 00時36分)

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  【 弱肉強食ノ話 / 第一話 〜蟷螂の編〜】




 本来は少し曇天の方が良い。
 薄っすらと雲がかかって、いかにも雨が降る前が一番良かったが、
 過ぎたるは猶及ばざるが如しで、いざ雨が降ってしまっては
 当時、宝と称した金の団子は脆く崩れてしまうため移動は不可能となる。




 ―――丁寧に、一つずつ運び出す。
 ―――割れない様に、両手で優しく包み込む。





 その曜日は早朝から晴天だった。
 金団子の移動係だった私は、予め味方の陣で決めていた『D・P』に着いた。
 丁度膝丈の、人差し指の太さの草草が生い茂った秘密の隠し場所。

 



 そのトキだった。
 青々と、
 いいえ、少し黄緑に白けていた生物が目に飛び込む。
 それは蟷螂(カマキリ)の脱皮だった。





 つい先日見つけた蟷螂は、小さな虫を食べていた。
 そしてその前に見たカマキリは、蝶を捕まえて、
 まさに捕獲直後の様子だった。



 なのにその日は、いつも見る蟷螂の胴体の色とは全く違った黄緑寄りの
 エメラルドグリーンで、正しく『幽体離脱』の様だった。



 生物というのは――――自然界というのは、
 どうしてこんなにも、神々しく、神秘的なんだろう。




 私は、金団子を隠すことなどすっかり忘れ、
 その脱皮を終える蟷螂をずっと凝視していた。




 ・

 

 脱皮した蟷螂は、微かに首を上下に振って、ゆっくりと羽根を拡げ
 私の視界を遮る様に飛び立っていく。

 

 数時間経っていたのかもしれない。


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【4183】

いつか見た恋蛍〜自然界の掟〜  評価

咲(サキ)SAKI (2020年05月07日 01時03分)

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 【 弱肉強食ノ話 / 第一話 〜蟷螂の編〜】



 そんな神々しい景色を見たあの日から、2ヶ月が経ったある日のことだった。
 


 相も変わらず基地遊びをしたり、
 木に登っては降りられなくなったり。
 
 何日もかけて作り磨き上げた金団子を隠しては
 雨の日までの命であると分かりながらも
 敵陣の宝を探し求める日々を、いつものように過ごしていた。



 
 脱皮しては大きくなり、成長を続けてきたのか、
 それともあの夏の日の蟷螂とは別の種類の蟷螂だったのかもしれない。


 軽くふた回り以上は大きくなっていた。



 が、明らかにあの日の蟷螂とは色も大きさも違っていた。


 その蟷螂が、
 なぜか私たちの基地のすぐ傍までやって来て、
 全く動かずに、ただただ、じっ……としていた。




 先日の神々しい蟷螂の姿が目に焼きついていた私は、
 やや警戒心を持つだろうその蟷螂にまたもや目が釘付けになった。



 10分ほどは経っていただろうか。


 それはあまりにも突然で、当時の幼な子には
 あまりにも想像しようのない出来事だった。



 ――――――― ポキッ ――――――――




 凛々しい雄と思われるその蟷螂の上半身が、
 生い茂った草の中に真っ二つになり、傾き落ちた。




 よくよく見つめると、その蟷螂のすぐ傍に、
 生い茂った草と同色の一回りも二回りも大きな蟷螂が、
 その雄の胴体の最下部をその両手でしっかりと掴み、
 私と目が合うことなく無心に………
 ただただ無心にむしゃむしゃと食べ続けていた。



 その後も、同じような光景を
 幼い5歳〜6歳の頃に、早くも何度も何度も目撃することになる。


 その後、自然界での常識を見せつけられることになる。
 蟷螂の獰猛さ――――――それは、たった一匹で
 自分よりも数十倍大きな小鳥や、蛙を食す姿までも。
 

 それはそれはあまりにも衝撃的な、夏の終わりのことだった。

 



 【了】



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【4182】

RE:いつか見た恋蛍〜osteri...  評価

拳治郎 (2020年05月06日 23時41分)

西村大臣 vs 吉村知事  


ムラムラ勃発かと思いきや


吉村知事  Twitterで西村大臣に速攻お詫び



そんなことで言い争う時間は  今はナイ

ってことなんやろなーと思いますた

※橋下さんが煽りすぎ?



月初に娘からLineで

アベノマスクが届いた写真が来ました

住民票  そこには移してないんですよね


日本郵政の全住所配布システム

アタシ、初めて聞いた言葉だったんですが

ホントにあるんですね?  なんだか

空室のポストにも入ってる気がしなくもないんですけど

※間違ってたらスミマセン


ではでは  また来週^^;  ←おーい


(^.^)
【4181】

RE:いつか見た恋蛍〜osteri...  評価

拳治郎 (2020年05月06日 19時33分)

何かオモロイことないかなー?と考えてるお部屋の皆さん こんばんは


ここんとこ TVも再放送が多くなってるので 

本日は 過去に書いたかも? でも書いた記憶がイマイチない?

ある少年の顔面キャッチ物語




なお、ここから先は  

お食事中の方や 美味しいお酒をお飲みになられている方 楽しく団欒されている方は 

くれぐれもご遠慮下さいませ(R20指定




昔々 あるところに 乗り鉄の少年が おったそうじゃ


高校入学前の 春休みのとある日 時刻表と睨めっこしていた少年は 


大阪駅から福知山線に乗って 三田経由で福知山


そこから山陰線に乗り換えて 京都経由で大阪駅に戻る 日帰り旅行を思いつきました


当日は 雲ひとつない晴天 これ以上ないお天気でした



今でこそ 福知山線は電化されておりますが 当時は未電化区間


大阪駅から DD51(ディーゼル機関車)が客車を牽引しておりました


当然 客車には冷房なんぞございません その日は少し汗ばむような陽気


暑さを感じた少年は 窓から顔を出して 周囲に広がる田園風景を楽しんでおりました



暫くすると どこからか まるで霧吹きを吹いたような細かい水が 少年の顔に降りかかります


田園に撒かれている水が風に乗って流れてくるなんて なんて気持ちがいいんでしょう! 


乗車して2時間ほど 尿意を感じた少年は 車両前方の厠へと向かいます



中に入ると 和式の便器が鎮座しており 金隠しの手前に開いていた 小さい穴から 


少年の目に飛び込んできたのは まさかのバラスト(線路に敷いてある石


こ、これは… なんて気持ちが悪いんでしょう!



このことがトラウマになった少年はその後 どんなに暑くても


新幹線の窓から顔を出すことはありませんでした



↓ 続く
【4180】

RE:いつか見た恋蛍〜osteri...  評価

拳治郎 (2020年05月06日 19時32分)

↓ 続くんかいっ!



この少年が 小学3年生の頃


クラッカーと呼ばれるモノがありました


クラッカーと言うと パーティーグッズをご想像される方も多いと思いますが


イメージ的には 爆竹を1本にして大きくしたようなモノです


そしてこれが 火をつけて池に投げ入れても


黄色い泡をブクブクと出しながら 火が消えずに爆発するという優れモノ



当時 周囲にはまだ田んぼが多く そこには必ず コエダメというものがありました


肥料を溜めておくので肥溜めですね 普段はトタン板なんかで塞がれているんですが


とある田んぼを通りかかった少年は 偶然オープンになってるコエを見つけ


池でも火が消えないのなら コエでも通用するんじゃないのか?


そんな疑問がふつふつと 少年の心に湧いてまいりました



誓いの時は来た 今私は池を超える!!



マッチで火をつけたクラッカーを 勢いよく投げ入れる


最初は黄色い泡がブクブクと出ておりましたが 少しすると出なくなり…


フッ… どうやらここまでのようだな


敗北を悟った少年は 火の消えたクラッカーを確認するために動き始めた瞬間



動いたら ボン!だ 



突如として爆発したクラッカー 


クッ… 北斗龍撃虎で仮死状態にされていたのか



飛んできた何者かが 少年の秘孔 定神(鼻の真下)を突く


なんだおめぇは? 一瞬にして襲い掛かる なんという強烈な臭い!



あんただったのか…



※この物語はハクションです
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