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【4369】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時28分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
第9話 〔手牌〕 続いては彼等の[打ち方]です。 配牌後、 親が捨て牌をすると同時に南家と西家がツモッてます。 南家が捨て牌をする時には北家と東家がツモッている。。 ポンやチーをする時も 「あっ、それポン!」などと、クチに出さずに無言で行われる為、 場は タッタッタッタッタッ…という 捨て牌の音だけが伝わっていました。 そんな流れなので、2秒かからずに一周します。 まるで ゲームセンターの麻雀ゲームをオートで見ている様なモノで 初めて目撃した時は目の前でナニが起きているのか? 何故これで成立しているのか?? 家族麻雀しか知らない俺には到底理解出来ない光景でした。 しかし、時間をかけてじっくりと観察していくと 徐々に その全貌が俺にも見えてきたのです。 彼等は ツモる一瞬で指で牌を読み ツモが捨ての場合、ツモッた次の瞬間には牌を場へ捨てるのです。 手元まで持ってくるのは有効牌のみ。 ツモ牌を目で確認する事は無く、 常に見ているのは相手の手の動きと場の捨て牌。といった感じでした。 つまり ハイレベルな盲牌が、そのスピードを生み出していたのです。 …と、 ココまではよくある話だと思いますが。 俺が一番驚いたのは 手牌を(123)や(中中中)のアンコといった(形)に並び変える行為が無く 配牌した時のまま。バラバラ状態で打っている事でした。 手牌は記憶して頭の中で並べているそうです。 結果。ツモッた有効牌は常に手牌の一番右端に置き、 手牌の中間に牌を入れるという行動は ほぼありません。 理由は勿論、手牌を並び代える事で、 手の内のメンツがバレてしまう事を防ぐ為なのですが…… それが普通なんすか? 麻雀って。。 そんなこんなで 2ヶ月ほど過ぎたある日の夜。。。 プレーしていた一人の客人Aのケータイが鳴り、その電話に出た客人Aはナニやら呼び出されたらしく 「ワリィ、俺ちょっとだけ抜けるわ。すぐ戻るからよ。」と言い、席を立ちました。 そしてその客人Aはナニを血迷ったのか知りませんが、 雑用係りのこの俺に 「戻ってくるまで、お前が代わりに打ってろ。」などと、ホザきやがったのです。 (出来るワケねぇーだろ!! そんな麻雀!! アホか!!) |
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【4368】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時27分) |
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第8話 〔卓〕 この雀荘には3台の自動ジャン卓が在り、 それぞれ 十卓(ジッタク)、千卓(センタク)、万卓(マンタク)と呼ばれていました。 もう お分かりだと思いますが、 十卓でプレーする時は 百点が百円。 千卓でプレーする時は 百点が千円。 万卓なら… 百点が一万円です。 俺が「何故、百卓ではなくて十卓と呼ぶのか?」と聞いたら 「百卓(ヒャクタク)だと 言いニクイから」だそうです… それからプレーを始める前に 、 客人は財布代わりのセカンドバックからゲン〇マを取り出し ジャン卓の四辺に取り付けてある〔点棒入れ〕に 大体300万くらい置いてからスタートします。 皆さん、いつも一千〜二千万くらいは持ち歩いているみたいでしたよ。 セカンドバックの中は札しか入ってないんですから。。。 もう、お分かりですね。 何故、この雀荘に点棒が無いのかが。。 一回一回が、点棒ではなくゲン〇マでのやり取りなのです。 だから トップやウマ等の計算はありません。 時間に不規則な方々に合わせた いつでも参加や退場が出来る[明朗会計システム]なのです。 基本的によく使われていたは千卓で、一晩中行われる事もありました。 しかし、 万卓でのプレーは3回ほど見ましたが、 一晩中行われる事はありませんでした。。。 だって 一時間で数百万が目の前を飛び交うんですからねぇ。。 3時間でセカンドバックの中身がカラになって 無言の帰宅をする客人を見送る俺は ある意味での恐怖体験者でした。。 |
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【4367】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時26分) |
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第7話 〔食〕 初めて俺を目にする客人の一人が無愛想に 「この色男はダレよ?」と、滝さんに聞きました。 すると滝さんは 「私の弟分です。あまりイジメないでやって下さいよ。」と言ってくれたのです。 俺はその意外な言葉が大変に嬉しくて、 (俺は期待されている! 俺のミスは滝さんの恥だ!)そう自分に言い聞かせ、 いつしか 滝さんを「アニキ」と呼びたい。。。 「アニキ」と呼ばせてもらえる立場になれるように頑張ろう!! そんな事を 本気で思うようになっていきました。。。 しかし、限られた人しか来店されないといっても キャバクラの経営者だったり、工場の責任者だったり、アレの元締めだったりと、、 一癖も二癖もある人種なので、なかなか一筋縄ではいきません。。 灰皿を取り替えるタイミング1つにも好みがあるので 「まだ替えんな!!」とか「さっさと替えろッ!!」など、些細な事でよく怒鳴られたものです。。 その中でも一番厄介だったのは 意外と[コーヒー]でした。 種類、濃さ、熱さ、砂糖とミルクの有無と量、出すタイミング。。。 やはり勝負師は[ゲンを担ぐ]人が多く、その一つ一つにコダワリを持つ為 取り扱いには細心の注意が必要になりますから 皆さんも用法容量に十分に気を付けて下さい。 そして、 そんな俺を救ってくれたのが[即席ラーメンとカップ焼きそば]の存在でした。 一人暮らしで培った俺の知恵と工夫が練り込まれたインスタント食品は 「こんなウマイ即席は食った事が無い!」 「今までで一番ウマイ即席だ!」 「即席を作らせたら世界一の男!」と、満場一致の大好評。 ついには「即席大臣」という名の栄誉を頂くまでに至り、 俺の作るインスタントラーメンやチャーハンを食べる為だけに来店する客人も居たほどで、 それはもう絶賛の嵐でした。 あれが今日なら「即席王子」と呼ばれていた事でしょう。。。 ・・・さて メンツも揃ってきたので麻雀開始です。。 |
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【4366】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時25分) |
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第6話 〔看板の無い店〕 俺は (もしかして、テンボウって言い方が悪いのかな?)と思い、 「テンボウっていうのは、このくらいの長さの白いプラスチックで、 赤い点が千点で、黒が百点で…」と点棒の説明を始めると 滝さんは 「知ってるよ!! テメー!俺を馬鹿にしてんのかっ!!」と、食い気味で怒鳴りました。 そんなやり取りをしていたら、、、いつの間にやら時刻は22時を過ぎ。。 入り口のドアが開き、客人が2人入って来ました。 その二人がサラリーマンではない事は、見てすぐ分かりました。。 「あの窓から逃げろ」としか説明を受けていない俺は (いらっしゃいませを言うべきなのか?)が分からず、 体が硬直するほどの緊張を隠して とりあえず ビシッ!と一礼をしておきました。。 するとそんな俺を尻目に 客人と滝さんが 「まだ、安岡さん来てねぇーの?」「そのうち来ますよ。」 などと普通の会話をしていたので (なんだ……皆さんは、お仲間同士なのね♪)と少し安心したものです。そして、 その安心が間違いだった事にも すぐに気付く事になるのです。 そんな感じでバイトを始め 1週間程してから気付いたんですが、この雀荘は外に看板がありませんでした。 何故なら 「一見お断り」で、限られた20人ぐらいの人しか来ない店だったからです。 つまり この雀荘は【隠れ家的な店】では無くて、【隠れ家】だったんですね。 |
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【4365】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時24分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
第5話 〔非常口〕 雀荘でバイトをする事になった俺が 一番最初に受けた説明は 「ナニかあった時は、あの窓から逃げろ」 でした。。 俺の心の声 (ナニかあったら窓から逃げろ? ナニかってナンだよ… アレか?! アレの事なのか!! よし…何気なく聞いてみよう・・・) 「ナニかって何ですか?」 すると、滝さんはニヤリとフクミ笑いをして 「火事とか地震とか。。世の中には他にもイロイロあるだろ。」と言いました。 俺の心の声 (火事とか地震なら階段使うだろ フツー!! ココは二階なんだから窓の方が危ないっつーの! 俺はその「他にもイロイロ」ってナンだ?って聞いてんだよ! ……まぁ …想像ど〜りって事ですかね。。。) 滝さんのそのリアクションに対し、(これ以上のツッコミは無意味)と判断した俺は【その窓】を開けて外を見ていた。 (ああ…なるほど… ちょうど、隣の建物の屋根の上に飛び移れる高さなんだ。。。 へぇ〜〜〜。……そうなんだ…) 一応、2回ほど 窓から外へ出る練習をしておきました。 結局。 幸いにも俺がこの窓を【非常口】として使う事は無かったのですが、 滝さんは 「過去に2回ぐらい役に立った。」と言っていたので、 どうやらK察以外の ナンらかの揉め事があったのではないかと。。 ………………さて、、、掃除でもしますか。。 (おお!コレが全自動のジャン卓か。。 真ん中に牌を入れるとココから積まれた牌山が出てくるのか。スゲェーな。正に全自動!!) 俺は初めて見た自動ジャン卓に 少しアホ気味の感動をしていましたが その反面で 別の事に違和感を感じていました。 その 違和感 がナンなのか… ハッキリ気付いたのは掃除を始めて30分ほど経ってからです。 (アレ??) 「すいません。滝さん。点棒ってドコにあるんですか?」 滝さん 「無いよ。。 そんなモン何に使うんだ?」 (何に?って…… 点を数える為に使うんでしょ? ……………………………… 違うの??) |
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【4364】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時23分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
第4話 〔その雀荘〕 低い天井、汚れた壁、黒ずんだカーテン、 薄暗い部屋に浮かび上がる3台のジャン卓。 ソコは正に映画で見る 裏ギャンブル の様相をかもし出していました。。 一歩踏み込んだだけで寒気がした事を今でも覚えています。 ただ単純に部屋が寒かっただけかも知れません。。 そして 初めて雀荘という場に立ったからなのか。。 俺が根っからのギャンブル好きなのか。。。 寒気と異なるもう1つの感覚。 奇妙な[高揚]すら感じていました。。。 これから俺は ココで何を見て何を学ぶのだろうか・・・ そんな事を考えて まるで 恋人の部屋に初めて入った時のソレとよく似た[高揚]に浸っていました。。 そんな幼かった俺だから、 この時は想像すら出来ませんでした。。。 あの空間で過ごせる時間が あんなに短いなんて。。。 |
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【4363】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時22分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
第3話 〔雑居ビル〕 何食わぬ顔で 麻雀を知っている と、答えた俺に 滝さんは少し嬉しそうな顔で 「おお、そうか。お前、夜中に暇なのは何時だ?」という、 意味不明な質問をしてきました。 俺の心の声 (夜中は寝てるに決まってんだろ! 昼間はアンタの代わりにパチンコ打ってんだろ) 俺 「何時でも空いてます」 滝さん 「じゃー、夜中に雀荘でバイトしねーか」 俺の心の声 (まぁ〜、そんな話だと思ってたけどね…マジでヤバくないんッスかぁ〜?) 俺 「よろしくお願いします。頑張ります!」 そう答えた足で さっそく案内されたのは 夜でも汚いと分かるぐらいに汚い雑居ビル。。 その汚い雑居ビルの ナンのニオイか分からないクサいエレベーターで2階へ上がると 15畳ほどの汚い部屋に3台のキレイな自動麻雀卓が置いて在りました。 そして 俺がそこでバイトを始めるにあたって 滝さんから最初に受けた説明は 「ナニかあった時は、あの右の窓から逃げろ」 でした。。 |
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【4362】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時21分) |
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第2話 〔選択〕 滝さんの 「お前、麻雀出来るか」という質問に私は一瞬の躊躇をしました。 突然質問されたから…… ではありません。 [その言葉の裏にあるナニか]に、俺の本能が警戒音を発したからです。 しかし、このテの方への返答は 「迅速かつ的確に!前向きな答えを!」が鉄則!! 「イエス」か「ノー」です。 絶対に煮え切らない答え方をしてはイケません。。 過去の経験からその事を理解していた私は 一瞬の躊躇の間に次の思考を働かせました。 (麻雀かぁ〜。知ってます!って言えるほど詳しいワケじゃないし 知りません!って言うほど知らない事もないしな〜。。 ナンて言おうかな……… って言うか、 知りません!って答えたら「ああ、そうか」で、この話は終わりだろう… 知ってます!って答えたらどーなんだ…? 俺に麻雀打てってか?………イヤそれは無いか。。素人がどうにかなるモノじゃないし。。 …でもどっちにしても、ヤバイ話じゃねぇ〜の? コレ? あんまり深くこの人と関わらない方がイイんだけど…… …これも1つの社会勉強か〜? 嫌になったら逃げればイイかな…… まさか追っては来ないだろぅし…う〜ん…どうしたもんかねぇ………) (この間、約0,6秒) 0,6秒間、散々悩んで俺が滝さんに出した答えは 「基本的なルールとか役は分かります」 でした。 不安の中に潜む好奇心に背中を押された感じだと思います。。。 イヤ、 もしかしたら… 俺は滝さんに出会った時、すでに こんな普段の日常から脱する展開を 心のドコかで望んでいたのかも知れません。。。 |
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【4361】 |
TaKeRu (2020年08月23日 14時20分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
第1話 〔出会い〕 パチンコ屋の某ホールで(今日はどの台にしようかな〜)と 店内のスロットコーナーを徘徊していた当時22歳の俺に 一人の男が 「よぉ、そこの兄ちゃん。これ揃えてくれよ。出来るだろ。」と、声をかけてきました。 振り向いてみるとそこには 40歳ぐらいでパーマ頭に口髭、時計は金のロレックス、 派手な柄シャツからは金の太いネックレスと胸毛を出したファッションセンスの男が居たのです。。。 一目で 間違いなくサラリーマンではないなと理解出来るこの男。 [滝沢さん]との出会いがすべての始まりでした。。 俺は 「イヤ…それは多分入ってないですよ。」と、保身の前置きをしてから目押しをすると、 やっぱりスリーセブンは揃う事無くハズレた。 すると… 滝さん 「もう一度狙ってみろ!」 俺 「!!!ッ」 「・・・あっ・・・ハイ」と、 一応、奇跡を祈りながら目押しをしたのだが、そんな俺の気合い如きで当たるハズも無く 無常にも777は並ばなかった。 すると滝さんは 「ナンで揃わないんだ?! さっきリーチ目出てたんだぞ!」と言うので 俺は 「あぁ… あの目は通常でも狙えば出るんスよ…」 それから俺はリーチ目について。 …とゆうよりも スロット自体の仕組みを少しづつ教えていく事で、 (不本意ながら)滝沢さんと仲良くなっていき、 (不本意ながら)滝沢さんの代わりにパチンコの代打ちを任されるようになるまで あまり時間はかかりませんでした。。。 いつの間にか パチンコの代打ちをする事になった俺に 滝さんは毎回、パチンコの軍資金として3〜5万円を渡してくるので (ナゼかはよく解りませんが)俺をすぐに信用してくれたんだと思います。 そして変な処が真面目だった俺は その気持ちに答えようと 滝さんの代わりに結構真剣にパチンコを打つ日々が始まったのです。。 それは打ち子とは違い、客として滝さんがチョイスした普通の台を打つだけなので 当然ボロ負ける日もあり、 あまりに負け過ぎて 預かった金を全て使い果たした時には 俺の身銭を切って負債を軽くした事も数回ありました。。。 そんな関係が半年程続いたある日 滝さんが 「お前、麻雀は出来るのか?」と、 俺に聞いてきたのです。。。 |
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